親の借金を相続放棄すべきケースとその方法
1 消費者金融やクレジットカードの借金があるケース
現在では件数はかなり減少しましたが、被相続人が2007年ころより前から消費者金融から借入れを行い、またはクレジットカードのキャッシングを利用していた場合、利息の払い過ぎにより過払金が発生していることがあります。
その金額は、数百万円になることもあります。
そのため、被相続人である親が消費者金融から借入れを行い、またはクレジットカードのキャッシングを利用していた場合は、それについて親が保管していた書類等(返済の際のATM明細など)を持参し、弁護士に相談するとよいでしょう。
ある程度の金額の過払金の回収が見込めるようでしたら、その他の遺産(債務を含む)も考慮し、相続放棄をしない方が有利であれば、相続放棄は行わないでそのまま相続するとよいでしょう。
逆に、過払金がほとんどない、または他の遺産を考慮すると過払金を相続するメリットが少ない場合は、相続放棄の手続きを行ったほうがよいでしょう。
いずれにせよ、過払金の判断は専門的知識が必要になりますので、必ず弁護士等専門家に相談してください。
2 親が長年返済していなかった借金がある場合
⑴ 消滅時効の援用による対応
借金をしていたとしても、長年返済せず、裁判等も起こされていない場合は、消滅時効期間が経過し、時効の援用を行えば借金が消滅する場合があります。
親に長年返済していなかった借金があり、消滅時効期間も経過していた場合も、その相続人は、消滅時効の援用を行うことにより相続した親の借金を消滅させることができます。
そのため、親の債務は消滅時効期間が経過している当該借金のみという場合は、相続放棄を行わなくても、消滅時効の援用を行うことで対応することができることがあります。
ただ、消滅時効期間が経過しているのかの判断にあたっては、厳密な調査と法的判断が必要ですので、ご自身で判断せず、必ず弁護士等の専門家に相談してください。
⑵ 相続放棄をした方がよいケース
親の借金について消滅時効期間が経過していることが明らかになった場合でも、たとえば次のようなケースでは、相続放棄を行ったほうがよいでしょう。
① 相続したくない財産(山林など)がある場合
② 他に借金等の債務があることが否定できない場合
③ 安心感を得たい場合
消滅時効の援用で対応できるとしても、その場合、単純承認ということになり、相続することが前提となります。
予期していなかった借金が明らかになったらどうしようといった不安感のある方は、相続放棄の手続きを行うことで安心感を得るとよいでしょう。
もちろん、相続放棄を行うと、予期していなかった遺産が見つかっても相続することはできませんので、その点は注意してください。
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